AdobeのPhotoshopやIllustratorを使用していると、サブスクリプションということで毎年更新の時期にかなりの金額が必要になり、一部では「Adobe税」ということもあるそうです。そこで、更新の必要がないAffinity Photo や Affinity Designer が、プロフェッショナル向けの画像編集・グラフィックデザインソフトとして、Adobe Photoshop や Illustrator の強力な代替ソフトとして注目されています。ここでは、両者を比較した場合のメリットとデメリットをまとめます。

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Affinity製品のメリット
- 買い切り型の価格設定: Affinity製品最大のメリットは、一度購入すれば永続的に利用できる「買い切り型」である点です。Adobe製品が月額または年額のサブスクリプションモデルであるのに対し、Affinity製品は初期費用のみで済み、長期的なコストを大幅に抑えることができます。これは特に、予算が限られている個人ユーザーや小規模事業者にとって大きな魅力となります。
- 比較的安価な価格: 本体価格もAdobe製品と比較して安価に設定されています。機能面でAdobe製品に匹敵する部分も多いことを考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
- 軽快な動作: Affinity製品は、一般的にAdobe製品と比較して動作が軽快であると評価されています。特に、メモリ使用量やCPU負荷が抑えられており、比較的スペックの低いPCでも快適に動作しやすい傾向があります。大規模なファイルや複雑な編集を行う際にも、スムーズな作業が期待できます。
- 十分な機能と互換性: プロフェッショナル用途にも耐えうる高度な機能を多数搭載しています。
- Affinity Photo: 非破壊編集、RAW現像、高度なレイヤー機能、パノラマ合成、HDR合成、スタック合成など、Photoshopに匹敵する機能を網羅しています。PSDファイルの読み込み・書き出しにも対応しており、基本的な互換性は保たれています。
- Affinity Designer: 高精度なベクター編集ツールに加え、ピクセルベースの編集も可能な「ピクセルペルソナ」機能を搭載。IllustratorとPhotoshopの作業を1つのソフトで行き来するような感覚で利用できます。AI、EPS、SVG、PDFといった主要なベクター形式の読み込み・書き出しに対応しています。
- StudioLinkによるシームレスな連携: Affinity Photo、Affinity Designer、Affinity Publisher(DTPソフト)間で、アプリを切り替えることなく、それぞれの機能をシームレスに利用できる「StudioLink」機能は特筆すべき点です。これにより、作業効率の大幅な向上が期待できます。
Affinity製品のデメリット
- 業界標準ではないことによる連携の課題: デザイン業界全体で見ると、依然としてAdobe製品が標準として広く普及しています。そのため、クライアントや共同作業者とのデータ共有において、ファイル形式の互換性やバージョンの問題が生じる可能性があります。特に、PSDファイルやAIファイルは完全に再現できるわけではなく、一部の高度な機能や効果は失われる場合があります。
- 日本語のチュートリアルや情報量の少なさ: Adobe製品と比較すると、日本語のチュートリアル、書籍、オンラインの情報はまだ少ないのが現状です。学習を進める上で、英語の情報を参照する必要が出てくる場面もあるかもしれません。
- プラグインや連携サービスの少なさ: Adobe製品ほどサードパーティ製のプラグインは充実していません。特定の作業に特化したプラグインを多用するユーザーにとっては、機能不足を感じる可能性があります。また、Adobe Fontsのようなクラウドフォントサービスや、Creative Cloudのような緊密なクラウドストレージとの連携機能は限定的です。
- 一部の高度な機能の不在や挙動の違い: Adobe製品が長年培ってきた特定の高度な機能や、AIを活用した最新機能(例:Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」のより自然な処理や、Illustratorの特定の描画ツールなど)については、Affinity製品がまだ及ばない部分も見受けられます。また、基本的な機能であっても、操作感や細かな挙動が異なるため、Adobe製品に慣れたユーザーは習熟に時間が必要となる場合があります。
Adobe製品のメリット・デメリット(Affinity製品との比較で)
- メリット: 業界標準であることによる信頼性と連携のスムーズさ、豊富な学習リソースとプラグイン、Creative Cloudによる強力なクラウド連携、常に最新機能を利用できるサブスクリプションの利点。
- デメリット: サブスクリプションによる継続的なコスト負担、比較的高価な価格設定、ソフトの動作が重くなりがちな点。
まとめ
Affinity製品は、コストパフォーマンスに優れ、軽快な動作とプロユースにも対応できる十分な機能を備えた魅力的なソフトです。特に、個人ユーザー、フリーランス、小規模なデザイン会社などで、コストを抑えつつ質の高いクリエイティブワークを行いたい場合に最適な選択肢となり得ます。
一方で、大規模な制作会社や、クライアントとのデータ共有でAdobe形式が必須となる環境、あるいは豊富なプラグインやクラウド連携を重視する場合には、依然としてAdobe製品が優位となるでしょう。
どちらの製品を選択するかは、ご自身の利用目的、予算、作業環境、そして何を重視するかによって異なります。無料体験版などを活用し、実際に試用してみることをお勧めします。